⑴NPOひょうご農業クラブの創設
1999.6〜活動開始
2001.1〜法人創立
①食を通した地域福祉活動を始める。
1.兵庫県西はりま地域で農薬、化学肥料不使用の野菜栽培
2.神戸東灘区六甲アイランド、相生市旭本町商店街で野菜市販売
3.店舗販売 よりあいクラブの開店(食堂と野菜販売の併設店)
②高齢者とこども、親子向け活動の開始
1.高齢者向け給食弁当の配達
2.幼児親子の料理教室の開設(講師:土井信子先生)
⑵限界集落、過疎地再生活動
①兵庫県の限界集落元気アップ作戦活動から
②宍粟市一宮町千町との出会
1.ボランティア活動”あこがれ千町の会”設立
2.限界集落と都市住民の合同(協働)活動
③NPO青年の村創設
ボランティア活動から過疎再生を事業目的化した法人の設立へ
1.宍粟市小茅野、公文などへの活動拡大
2.加西市の”合同会社 夢農業公園”開設へ
⑶事業拡大の方向転換──出直転換
人口減時代の過疎対策の転換のあり方
<私たちが求めてきたもの─復元的発想から原点回帰発想へ─>
⑴食と農と地域
①食は生命の根源である
1.食は安全が基本
2.生命力の強い食であること
3.食は地球環境の共生の産物であること
②食のあり方をつくりだす農業──安全、自生力、共生
③農村は食をつくりだす農業の集積地である
1.現代農業は食に求められる条件をかなえるものになっているか
2.農業者は食に求められる条件を実現する責任、誇りをもって生産しているか
3.農業を核とした村落協同体社会が弱体化していないか
⑵食料生産と国際社会
①日本の農業は自由貿易に耐えられるか
TPPは利益か不利益か
②食品の安全性など日本的水準を低下させないか
③食料の国際支配(多国籍企業)につながる恐れはないか
⑶都市文明と農村 自然環境
都市文明は人間と自然環境の関係を狂わせている。
1.正常な関係でなくしている
遊離状態をすすめ人間の健康を害している
2.都市集中化は人間と自然の関係状態をますます悪化させつつある
”食福” それは私たちの出発点であり、到達目標です
大阪万博·ひょうご民博のご案内
2025年に大阪万博が開かれます。
主なテーマは、人類の健康·長寿への挑戦です。それなら私たちにも挑戦できそうです。直接会場のパビリオンには出られないでしょうから、兵庫県下の各地でフィールドパビリオンを設営して「ひょうご民博」を開催してはいかがでしょうか。今から、その準備にかかりましょう。
ちなみに、サブテーマを用意し、基本的な構想を提案します。
【テーマについて考えました】
健康と長寿について、今、私たちが問題意識として、全人類にアピールしたいことは次の3点です。
·地球と農業
·自然と人間
·地域と世界
<地球と農業>
地球上で人類が農業を始めておよそ10,000年、日本では3000年ほどだと言われています。大地を耕し、種をまき、収穫して食べてきました。自然の力を借りて栽培してきました。ところが、この100年ほどの間に、人間は化学肥料や農薬を使った農業に切り替えてしまいました。
問題点
1·農薬は田畑の土の中に棲む微生物や小動物を殺します。
2·化学肥料の多使用は土中の有機物を不要なものとし、田畑の微生物が
減少しています。
3·その結果、小動物が生きられなくなり、生物の循環の仕組みが断たれ、生態系の乱れが生じてきています。
4·その広がりは河川および海にも影響し、最終的には人間の食料に行き着きます。
5·最大の問題点は、人間が地球のガンになりつつあると言うことです。
解決の提案
1.解決の方策は、化学物質を使用する農業を微生物の力を活用する農法に切り替えることです。
2.微生物が地球上の生物、動植物を育てている自然の摂理の中でしか人間、人類の生存もあり得ないことを知るべきです。
3.現在の農業者、消費者、双方共に、微生物の働きや効用をあまり認識できません。
4.本格的な「微生物、研究所」を設立するよう提案します。
実践的な研究と合わせて、強力な情報の発信基地の役割を果たせるようにし
ます。
<自然と人間>
科学の進歩、産業の発展、都市化の広がり等、人類が創造してきた文明は私たちに多大な恩恵をもたらしてきました。
しかし、近年、さまざまな問題を引き起こしてきています。
問題点
1.自然と人間の乖離が進み、社会的な病理現象が起こり、多くの人たちを苦しめております。
2.ストレス、ノイローゼ、自閉症、自律神経失調症など、心の病にかかる人々が一般化しています。
3.私たちの食生活のあり方が激変し、多くの疾病が蔓延しています。
イ·畜産、水産の育成方法の変化→抗生物質、成長ホルモン等の化学物質を使用して飼育しています。ハウス栽培、水耕栽培等、自然な環境から離れた農作物の普及。
ロ·加工食品の激増で化学物質が複合的に体内に入り込んできています。
4·アレルギー、アトピー、肥満、習慣病、ガン、◯◯症候群などの疾病。
解決の提案
総じて社会文明病といえる現状は根深い因果関係によって発生しています。人類にとって深刻な現代の難問であります。解決の方向としては、人間の自然回帰を取り戻すことを抜本的に進める以外にありません。
1.中山間地全体を自然公園化すること
人間と自然を結合させる。自然時間を長くすること。
2.田舎食、日本的伝統の食文化の普及運動の展開(国民食の開発)
(酵素食品を中心とした食文化)
3.酵素食品研究所を設置
新しい酵素食品の開発を進め、世界に発信するようにします。
世界の食文化革命を起こします。
<長寿と幸福社会>
長寿はおめでたいこととして喜ばれてきましたが、それは絶対不変のことでしょうか。
それにはいくつかの前提条件があります。
1.健康長寿
健康な状態で長生きできる。
2.低コスト長寿
医療、福祉費等国民の負担が重くならない。
3.幸福長寿社会
高齢者だけでなくみんなが幸福に暮らせる社会である。
(1)死の意思決定はだれがするのか
人の死を決定するのは誰なのでしょうか。本人、家族、血縁者、医師、第3者。
長寿、高齢者の医療費は誰が負担しますか。
国の財政負担は大丈夫なのでしょうか。
長寿に関わる経費、費用の負担責任者は誰なのでしょうか。
(2)未来責任は誰なのか
なぜ明日を生きる人の負担にするのか。
(3)公平と公正
医療、福祉などの制度や理念は平等に重きをおく公平思想なのでしょうか。正義に重きを置く公正なのでしょうか。
(4)国民的コンセンサスを問い直すとき
(5)楢山節考を再考しましょう
<地域と世界>
日本の村落共同体は、世界に誇るコミュニティでありました。過去形で表現しなければならないほど、地域社会は変貌してきています。
人口減が進行し日本の人口は22世紀初頭には現在の半数6千万人ほどになる見通しであります。そのころ地域社会はどうなっているか、多民族の共生が混沌としてきた世界にあって、多神教文化の日本社会が移民を受け入れて、どんな地域社会のモデルケースを形成するか,世界の注目を集めることになるでしょう。
問題点
1·農業機械の発達が農村の共同社会を壊してきました。稲作の共同作業が個人化し、兼業農家が増え、農業者がサラリーマンになり、地域社会の共同体が崩壊してきました。
2·過疎地の人口減で集落の自治機能が弱体化しました。
3·これからの村落は、村外からの移住者や外国人の定住者などで多民族の混在するモザイク型の多元的共生社会になっていくでしょう。
解決の提案
3000年前、日本は多くの渡来人を受入、農耕民族としての国造りをしてきました。21世紀はその再来を期して新しい日本に作りかえていく世紀にしなければなりません。
それは国全体の構造構築からではなく、村落や都市中の小さなコミュニティづくりから、パッチワーク的な創造の日本民族の英知と和の精神の辛抱が問われます。
<まとめ>
万博のテーマにサブテーマを付けて考えてきますと、次のようなことを思わずにいられません。
それをまとめにかえます。
(1)健康と長寿への挑戦はつまるところ、人類の文明央的挑戦になるということです。
①健康と長寿を文明の発展の延長戦に描くのか。
②立ち止まって、振り返って、前方を見直すか、遅れ残されたところに貴重な忘れ物があります。
(2)人口減は人類文明史上、最大の病理現象です。欧米の先進国は、22世紀に向けて大方人口減の様相です。
(3) 21世紀後半は、忘れ物を取り戻す世紀ではないかと思われます。
地球、自然、人間、文明の真の姿を見直し、未来に備える。ひょうご民博は神が与えてくれたそんな場だと受け止めたいと思います。
■参考
健康と長寿を全人類的視点で捉えようとしました。3つの柱をたてて考えましたが、やはり無理があり、どうしても補足すべき重要ポイントがいくつかあります。
<農業と経済>
人類が食料を自ら生産するようになって1万年。この間、人間や社会にどんな影響、変化をもたらしてきたか、今、それがどうなっているか、これから先どんなことが予測できるかを考えてみました。
(1)社会的資産、経済格差の克服、解消は可能か。
健康と長寿を可能にする保証するには、医療、福祉等の社会的資産の域間格差を解消することが絶対的な前提条件になるでしょう。
それは国内問題であると同時に大きな国際問題でもあります。
(2)食糧増産と人口増加
食糧増産と人口増加は不即不離の関係になります。その関係が今後も順
調に平衡拡大を続けていけるかどうかきわめて大きな疑問です。
(3)争奪から平和と共生の時代へ
古来、食料は争奪が国家間の戦争にまで発展する歴史を繰り返してきました。まだその歴史が終焉したとはいえませんが、平和と共生の時代に転換できるように日本が果たしうる役割は大きいといえます。
NPOひょうご農業クラブの野菜を微生物野菜と呼びます。
当農業クラブは1999年6月から野菜づくりを始めました。
今年でちょうど丸20年になります。
その間、一度も農薬、化学肥料を使ったことはありません。
実質的な有機無農薬栽培の農業を続けてきました。
しかし、法的には有機農業の有機野菜とは言えませんので、勝手に環境野菜といってきました。
少し前から、微生物に関する本を少し読んでいます。
畑の中には、数十億というか無数の微生物が棲んでいて、有機質な物質を食べて有機の肥料を造り、野菜を育ててくれていることを知りました。
同じように私たちの体内の内臓にも微生物が棲んでいて、私たちの食べた食者を栄養に変え、私たちの身体をつくり、健康や生命を維持してくれているそうです。
(1)微生物の働きの凄さに驚嘆、脱帽です。
土の中の微生物は植物や小動物を育て、生物の循環、生態系の維持機能を担っています。
私たちの体内の微生物は人間の生存を守り続けています。
そのようなプラス面だけでなく、地球上に発生する汚物を処理し、浄化する地球のお掃除屋さんの役割も果たしています。
地球に生物が生きながらえているのは微生物の働きのお陰です。
(2)人間の所業の罪深さ
それに対し、人間の所業の愚かなことに気付かざるをえません。
①無機農業の罪深さ
田畑に農薬や化学肥料を散布する農法は土の中の微生物や小動物を死滅させています。
化学肥料は微生物の食物にはなりません。
現に、畑や河川の小動物の世界には生態系に変化の兆しが見え始めています。
人間は地球の癌になりかけています。
②食品添加物の恐怖
加工食品の増加によって食品添加物が氾濫し、防腐剤、殺菌剤、抗生物質の使用がとめどなく広がっています。それらが私たちの体内に入り、内臓の微生物を殺しています。その結果、私たちの病気に対する耐性を弱め、文明病ともいえる病気が蔓延しています。
人間は自滅の道に踏み込もうとしています。
(3)私たちの選択の道
微生物の働き
(1)微生物野菜は名医である。
微生物が育てた野菜を食べ続けていると健康でいられる。
なぜでしょうか。.
体内に棲んでいる微生物が、畑で微生物に育てられた野菜が好きでよく食べます。胃腸の微生物がよく育って、身体の栄養になって、私たちの身体を養い、身体を動かすエネルギーをつくってくれます。微生物が元気で働いてくれるように、どんどん微生物野菜を食べましょう。
(2)腸内微生物は名コック、調理人
私たちの身体の胃腸内には無数の微生物が棲んでいて、私たちの食べた食物を食べて生きています。微生物は食べながら人間の身体の栄養になっていきます。
(要注意事項)
胃腸の中に入った食品加工物に含まれている添加物は一防腐剤、殺菌剤、抗生物質─胃腸の中に棲んでいる微生物を殺していきます。畑に散布する農薬が土中の微生物を殺すのと同じことです。
(3)畑の微生物は篤農夫
畑の土の中に数十億の微生物が生きています。
畑の中の有機質の肥料を食べて生きているのですが、野菜の肥料をつくってくれています。野菜はそれを吸収して育っていきます。微生物は野菜を育てる篤農夫です。篤農夫によく頑張ってもらえるよう、有機質の肥料を沢山畑の中に入れていきましょう。
微生物産業の未来展望
微生物の働きを活用して産業化しているもの。これから開発できそうな分野を考えてみました。活用しきれていない未開の分野が圧倒的に大きいと思います。
(1)農業分野 有機栽培分野では5%未満
(2)水、蓄分野 ほとんどなし
(3)食品加工 発酵食品がほとんど 全体的には未開発
(4)医薬品 サプリメントを含めても極少 未開発状態
(5)飲料 カルピス、ヤクルト程度か
(6)飲食関係 未開発
<食料品以外>
(7)汚染浄化(土、水、空気)
(8)課題
1·プラごみ等の処理
2·鉄、コンクリートなど等を消去できないか
3·放射性物質の処理
微生物の研究所を核にして、微生物産業の開発を本格化させるべきだと考えます。